全国には13のろうきんがあり、福祉金融機関として、労働者の経済的地位の向上を目指しています。
貯蓄や定期預金、投資信託などのほか、目的別のローンなどを提供しているろうきんでは、カードローンも提供しています。
ろうきんは「労働金庫」の略称で、労働組合や生協などの会員が出資し、助け合いながら運営しているのが特徴です。そのため、労働組合や生協などの会員は金利などにおけるメリットも大きいものです。
使い道が自由なろうきんのカードローン・マイプランの特徴やメリット、審査の流れ、申し込み基準や審査基準について解説します。
Contents
全国13あるろうきん！対象のエリアに住んでいるか勤務していれば利用可能
全国にあるろうきんは以下の通り。労働組合や生協などの会員はメリットも大きいのが特徴ですが、会員でなくても自宅や勤務先が対象エリアであれば利用可能です。
| 北海道ろうきん | 北海道 |
|---|---|
| 東北ろうきん | 青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県 |
| 中央ろうきん | 茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県 |
| 新潟ろうきん | 新潟県 |
| 長野ろうきん | 長野県 |
| 静岡ろうきん | 静岡県 |
| 北陸ろうきん | 富山県・石川県・福井県 |
| 東海ろうきん | 愛知県・岐阜県・三重県 |
| 近畿ろうきん | 滋賀県・奈良県・京都府・大阪府・和歌山県・兵庫県 |
| 中国ろうきん | 鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県 |
| 四国ろうきん | 徳島県・香川県・愛媛県・高知県 |
| 九州ろうきん | 福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県 |
| 沖縄ろうきん | 沖縄県 |
カードローン・マイプランの金利や引下げ金利項目、申し込み方法や条件などが営業所によって異なる点があるので、詳細は利用する営業所のサイトを確認しましょう。
ろうきんのカードローンは条件によって低金利でお金を借りることができる
ろうきんのカードローン・マイプランは使い道が自由で低金利。ATM手数料もキャッシュバックがあるなどお得な点も多くあります。ろうきんのカードローンの特徴やメリットを紹介します。
| 金利 | 7.075％～8.475％（上限・下限なしの一律金利） |
|---|---|
| 申込可能年齢 | 満20歳以上満65歳未満 |
| 申込条件 |
|
| 融資金額 | 最高500万円（団体会員・生協会員以外は最高100万円） |
| 利用方法 | 原則ローンカードでの利用 |
| ATM手数料 | 引き出し後即時キャッシュバック |
| 口座開設 | 必要 |
ろうきんのカードローン・マイプランは使い道が自由なカードローン
ろうきんのカードローン・マイプランは使い道が自由なので、生活費が足りない、旅行に出かけたい、買い物がしたいなど、さまざまな用途で使えるカードローンです。
最高500万円までの借り入れが可能なので、高額融資を希望する人にもおすすめ。ただし、事業性資金や負債整理資金、投機目的の資金などには利用できないので注意しましょう。
ろうきんのカードローンは基本的に低金利で借りられる
ろうきんのカードローンのメリットは低金利で借りられることです。金利は団体会員の構成員、生協会員の組合員やその家族、一般勤労者によって以下のような金利となっています。
| 団体会員の構成員 | 7.075％ |
|---|---|
| 生協会員の組合員および同一生計家族 | 7.255％ |
| 一般勤労者 | 8.475％ |
ほかの銀行カードローンの金利は以下の通り。
| 三井住友銀行 カードローン | 1.5％～14.5％ |
|---|---|
| 三菱UFJカードローン「バンクイック」 | 1.8％～14.6％ |
| りそな銀行カードローン | 1.99％％～13.5％ |
低金利と言われている銀行カードローンと比較しても、より低い金利で借り入れできるのは大きなメリットと言えます。
団体会員や生協会員とは、以下のようなケースです。
（１）団体会員とは、中央労働金庫に出資いただいている、以下の団体をいいます。 ①労働組合 ②国家公務員・地方公務員等の団体 ③勤労者のための福利共済活 動を目的とする団体で一定の条件を満たすもの。
（２）生協会員とは、中央労働金庫に出資いただいている生協のうち、生協組 合員融資制度を導入している生協の組合員および同一生計家族の方。
借入限度額に関係なく金利が一律であるのも特徴の一つ
ろうきんのカードローンは借り入限度額によって金利が変わりません。いくら借りても金利が一律である点もほかの金融機関と異なる点です。
一般的には借入金額によって金利は変わります。そのため、下限金利と上限金利があり、高額借入になるほど低金利で借りられるのですが、少額融資になると金利は上限金利に近くなります。
ろうきんのカードローンは少額融資でも、7.075％～8.475％という低金利で借り入れが可能です。
取引内容によってはさらに金利が下がるのでお得
低金利が特徴のろうきんのカードローンですが、取引内容によってさらに低金利で利用できます。金利引き下げの対象となる取引内容としては以下のようなものがあります。
- 給与振込指定
- 一般財形・エース預金の契約
- 財形年金・財形住宅・年金受取エース預金の契約
- 年金振込指定
- 有担保ローン・金庫扱い住宅金融支援機構融資の契約
- インターネットバンキング（IB）の契約
- 2種類以上の公共料金自動支払いの契約
- Web通帳（無通帳預金）の契約
- 若年者引下げ
上記のような取引・契約をすることで、0.30％～1.50％の金利引き下げが可能になります。
融資金額は最高500万円だが雇用形態や審査によって限度額は異なる
融資の極度額は最高500万円までですが、年収や勤続年数などによって限度額は異なります。
| 団体会員・生協会員以外 | 最高100万円 |
|---|---|
| 団体会員で勤続5年以上もしくは年収500万円以上 | 極度額300万円以上が可能 |
| 生協会員で勤続５年以上尚且つ年収50％以内の極度額まで | 極度額300万円以上が可能 |
極度額は審査内容によっても異なります。
ATM手数料がキャッシュバックされる
ろうきんのカードローンはローンカードで利用しますが、銀行やゆうちょ銀行、コンビニなどで引き出した際のATM手数料はキャッシュバックされます。
キャッシュバックの回数に制限はなく、引き出したと同時に中央ろうきんの口座に入金されるので、実質無料でATMでの引き出しができるということです。
手数料がかかると思うと、必要以上のお金を引き出してしまうこともあるでしょう。手数料が無料なら、少額の借り入れでも安心。借り過ぎ防止にもつながります。
ろうきんのカードローンの申込条件を満たさないと申し込みができない
ろうきんのカードローンを契約するには、申込条件を満たしていないと申し込みができません。どのような申込条件があるのか解説します。
申込可能な年収や勤続年数などが明確
カードローン・マイプランに申し込みできるのはろうきんに出資している団体会員の構成員、または自宅や勤務先がろうきんの事業エリア内にある給与所得者です。
ろうきんの事業エリアは次の通り（中央ろうきんの場合）。
- 茨城県
- 栃木県
- 群馬県
- 埼玉県
- 千葉県
- 東京都
- 神奈川県
- 山梨県
さらに、次のような条件があります。
- 同じ勤務先に1年以上勤務していること（自営業など給与所得者ではない場合3年以上）
- 前年税込年収が150万円以上で安定した収入が継続してあること
- 申込年齢が満20歳以上で契約時満65歳未満
- ろうきん指定の保証機関の保証を受けられる
申し込みできる年齢はもちろん、勤続年数や年収も基準があるのでそれをクリアしていなければ、申し込みできません。ただし、パート社員や契約社員など正社員でなくても一定の条件を満たせば申し込みは可能です。
上記の内容は中央ろうきんの内容です。ろうきんは全国にあるので、それぞれのろうきんによって違う点もあるため、最寄りのろうきんの営業所で確認することをおすすめします。
ろうきんのカードローンの申込には勤続年数を確認できる書類が必要
ろうきんのカードローン申し込みには、次の書類が必要です。
- 本人確認書類（運転免許証や個人番号カードなど）
- 収入を確認できる書類（給与証明書や源泉徴収票、在籍証明書など）
- 勤続年数を確認できる書類（健康保険証や在籍（給与）証明書）
- 普通預金口座の届け出印
年齢や勤続年数、収入の基準があるろうきんのカードローンでは、それを証明する書類を用意しなければなりません。書類の提出ができないと申し込みができないのできちんと用意するようにしましょう。
また、ろうきんから渡される以下の書類も提出します。
- 借入申込書
- 個人情報の収集・保有・利用・提供に関する同意書
審査では個人情報を確認するため、個人情報にネガティブ情報があると審査に通過できないので注意しましょう。
正式申込は店頭で行い即日融資はできない
ろうきんのカードローンの仮申し込みはWebでも可能ですが、正式な手続きは団員会員・組合会員以外は店頭で行わなければなりません。契約が完了したらローンカードは発行されますが、即日融資は無理と考えましょう。
ろうきんのカードローンの申込の流れは以下の通りです。
- 仮審査申し込み
- 仮審査の結果連絡
- 正式申し込み・契約
- ローンカード発行
仮審査の結果は電話での連絡になります。契約が完了したらローンカードが発行されるので、受け取り後ATMで借り入れが可能になります。
インターネットバンキングの利用はろうきんダイレクトの契約が必要
借入方法はローンカードで全国のろうきんのATM、提携金融機関ATM、コンビニATMで利用可能です。ろうきんダイレクトを事前に契約すれば、インターネットでの振り込みや返済が可能になります。
返済方法は契約時に、定額型と残高スライド型のどちらかを選択します。
- 定額型：貸越極度額に応じて返済額テーブル表に基づいた金額を返済する方法
- 残高スライド型：借入残高に応じて返済額テーブル表に基づいた金額を返済する方法
借入条件などにもよりますが、残高スライド型の方が返済期間が長期化しやすく、総返済額は増える可能性が高いです。繰上げ返済はいつでもできるので、余裕のある月は返済に充てることをおすすめします。
年収や勤続年数に条件あり！ろうきんのカードローンの審査は甘くはない
ろうきんのカードローンの審査は厳しいと言えるでしょう。申し込みの時点で収入の基準や勤続年数野基準が明確で、その条件を満たしていない場合、当然審査通過はできません。
年収や勤続年数の条件があるろうきんのカードローンの審査は甘くない
ろうきんのカードローンは、申し込み条件において、安定した収入が継続してあることだけでなく、年収150万円以上、という基準があります。さらに、勤続年数においても同じ勤務先で1年以上、自営業などの場合は3年以上という年数も設定しています。
年収が基準に達していなければ審査通過はできませんし、入職して間もない場合も審査通過できません。仮審査の段階で落とされてしまうでしょう。
しかし、年収や勤続年数の基準が明確なので、申し込みしやすいとも言えます。
もちろん、年収や勤続年数の基準をクリアしていても、ろうきん指定の保証機関の審査にも通過しなければならず、信用情報の確認もあり、調査において返済能力を認められなければ審査通過はできません。
また、仮審査を通過できても、正式申し込みまでの期間があくと再審査となる場合もあります。仮審査が通過したらできるだけ早く正式申し込みをしましょう。
信用情報に返済の滞納や債務整理の情報があれば審査通過は厳しい
通常のカードローンと同様、ろうきんのカードローン審査でも、信用情報の確認は行われます。信用情報にはカードローンやクレジットカードの取引に関する詳細が登録されています。その中で、次のような情報があると、審査通過は厳しいでしょう。
- 返済の遅延・滞納
- 強制解約
- 保証履行
- 破産申立
- 債務整理
- 債権回収
- 債権譲渡 など
ただし、信用情報に登録されている情報には登録期間があり、それを過ぎれば情報は抹消されます。
| 情報 | 登録期間 |
|---|---|
| 契約内容に関する内容（契約の種類や貸付金額、貸付日など） | 契約継続中・契約終了後5年以内 |
| 返済状況に関する内容（延滞や残高金額、完済日など） | 契約継続中・契約終了後5年以内 |
| 取引事実（債務整理や強制解約、破産など） | 契約継続中・契約終了後5年以内 |
| 申し込みに関する内容（本人に関する情報や申込日など） | 6ヵ月 |
登録期間が過ぎて審査に影響する情報がなくなれば、審査通過の可能性も高くなります。ただし、審査は信用情報だけで判断するわけでないので、信用情報の登録期間が過ぎたからといって審査に通過できるわけではありません。
調査の結果仮審査の入力内容と異なる場合や大きな変更は審査に影響する
勤務先や年収、借入金額など、嘘の情報を申告しないことです。少しくらいごまかしてもバレないだろうと思っていると、審査通過はできません。信用情報や提出書類などにより、調査は慎重に行われるのでごまかしはききません。
ろうきんカードローンの公式サイトにも、以下のように書かれています。
Webによる仮審査申込みのご入力内容が事実と異なる場合、ご入力内容についてご融資実行までの間に大きな変動があった場合には、ローン利用のご希望にそえない場合がありますのでご了承ください。なお、審査結果の内容については、お答えいたしかねますので、予めご了承ください。
また、申し込み時点から融資までの間、勤務先が変わるなど大きな変化があった場合も融資に影響することがあるので注意しましょう。
他社での借り入れが多いと審査に落ちる可能性がある
一般的に他社での借り入れが多いと返済に無理が生じるため、審査通過は厳しくなりますが、ろうきんのカードローンにおいても同じことが言えます。
目安としては年収の3分の1を超える借り入れがある場合は減らしておいた方がよいです。消費者金融などの貸金業者は総量規制に基づき、年収の3分の1を超える貸付ができません。
ろうきんは総量規制の対象ではないため、年収の3分の1といった制限はありません。しかし、返済のことや貸し過ぎ防止の観点から年収の3分の1以内の貸付を目安にしている金融機関が増えています。
そのような傾向にあるため、他社からの借入金額はできるだけ減らしておいた方が、審査に悪い影響を与えずにすむでしょう。
「ろうきんのカードローン」に関連するよくある疑問
「ろうきんのカードローン」に関連するよくある疑問を集めてみました。参考になさってください。
Q ろうきんのカードローンでは最大いくらまで融資可能ですか？
A 最高500万円までです。ただし、団体会員・生協会員以外の方は最高100万円です。さらに団体会員や生協会員でも300万円以上の融資を受けるには勤続年数や収入などの条件があります。
Q ろうきんのカードローン「マイプラン」はWeb完結での申し込みはできますか？
A 仮審査の申し込みはWebで可能ですが、正式な申し込み・契約は店頭で行います。借り入れや返済もローンカードを利用します。ただし、団体会員の組合員であればWebでの申し込み、契約が可能です。
Q ろうきんのカードローンをコンビニで利用した場合ATM手数料はかかりますか？
A 引き出し時に手数料はかかりますが、引き出し後即時に中央ろうきんの取引口座にキャッシュバックされます。
Q ろうきんのカードローンの借入方法を教えてください。
A ローンカードで利用可能です。全国のろうきんATM、提携金融機関ATM、コンビニATMで利用できます。また、事前にろうきんダイレクトの契約をすれば、インターネットバンキングが利用できます。
ろうきんのカードローンの審査は厳しいが低金利で利用できる
ろうきんのカードローン・マイプランは低金利で利用できる点がメリットです。また、ATM手数料もキャッシュバックされるのもうれしい点です。特に、団体会員や生協会員の組合員なら、よりお得に利用できる点が特徴です。
ただし、年収や勤続年数によっては申し込みできない場合もあり、審査も慎重に行われます。融資可能な極度額も団体会員や生協会員以外では100万円まで、会員でも年収や勤続年数によって極度限度額は制限されます。
しかし、金利の低さは大きなメリットなので、提出書類などをしっかり確認し申し込んでみるとよいでしょう。ろうきんのカードローンは各営業所で異なる点もあるので、詳細は利用する営業所で確認することをおすすめします。